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「THE PINK GUIDE TO ADOPTION FOR LESBIAN AND GAY MEN」という本があります。

The Pink Guide to Adoption for Lesbians and Gay Men



イギリスで出版されている、養子縁組をする同性カップルへの指南書みたいなものです。
ここにDebunking the myths(神話の誤りを暴く)という節があります。いわば「同性カップルの子育てに関する都市伝説」とそれへの返答が書かれています。
この本を参考にしつつ、いくつかの「都市伝説」について意見を書きたいと思います。

1.ゲイとレズビアンはいい両親になれない

なぜこう思うのか私にはわからないのですが、たぶん多くのセクシャルマイノリティと接したことのない人の意見だろうと思います。
調査によると、異性カップルに育てられた時と同性カップルに育てられた時と、子どもの成長には違いはないそうです。
さらに、ある調査では、レズビアンカップルに育てられた子どもの方が成績がいい、なんて結果も。

レズビアン家庭の子供の方が成績が良く、社会性も高い

アメリカのドラマや映画でも「親が同性カップルだから(いい成績を期待され)プレッシャーがかかるよ」なんて冗談を聞いたりすることもあるくらいです。
成績がいいことが子育ての成功でもないですし、その調査はともかくとして、親が異性同士であれ同性同士であれ何の関係もなく子どもは子どもで育っていく、それだけだと思います。


2.子どもが同性愛者になってしまうかも

よく「同性愛者が育てる子どもは同性愛者になっちまうよ!」と懸念を示す人がいるけど、なったところでどうなの?何を恐れてるの?とその失礼な態度に絡みたくなりますが…とりあえずその不満は抑えておいて…

調査によると、異性愛者の親の元で育った子どもと同性愛者の親の元で育った子どもを比較すると、子どもが同性愛者になる確率は変わらないそうです。

だって、考えたら当たり前ですよね。
異性愛者の親に育てられ、社会から異性愛が正しいことだと教えられ、異性愛社会のシャワーを散々浴びてきた人だって、同性愛者になる場合もあるわけです。
ということは、同性愛者の親に育てられても異性愛者なら異性愛者のまま。異性愛者の親に育てられても同性愛者なら同性愛者のまま。当たり前ですが。
(ひょっとしたら、同性愛者の親に育てられたら、同性愛者に対して偏見のない異性愛者や強力な支援者に育つ可能性もあるかもしれませんね。)

だから、「同性愛者が子育てすると子どもが同性愛者になるかも!」とご心配している方、ご心配なく。
でも、あなたが異性愛者だからといって子どもが異性愛者であるとも限らないし同性愛者の場合もあります。
大切なのは一人ひとりのセクシュアリティを尊重する姿勢。これを忘れないでください。

そもそも…
子どもが親のセクシュアリティを見て同じセクシュアリティになるわけないだろう!
セクシュアリティってそんな簡単なもんじゃないだろう!
と叫びたい気分ですが、とりあえずここまで…。


3.子どもがいじめられる

はい。よく聞きます。そして、「いじめられる可能性があるから同性カップルは子育てするな」と子育て反対の論拠に使う人がいます。

ビートたけしさんがある番組で同性カップルの子育てを否定的に言っていました。
「お前んとこの『お母さん』は『お父さん』だと(いじめられるのではないか)」というようなことを。
その番組では渡辺えりさんが「そうならないようにみんなでやっていけばいいのでは」と反論していました。
私も同意見。いじめを生むのは社会のほう。いじめがあるなら、社会を変えるべき。そもそも、「いじめられるよいじめられるよ」「だからあなたたちは子育てすべきでないのよ」とか言っている人がいじめる側なのでは、とも思います。
「いじめられるかもしれないね」と思うなら「私が守るね」「そんな社会を変えたいね」って言葉がなぜ出てこないのでしょう?とても不思議です。
という私の不満はさておき。
本によると、「確かに、それが原因でいじめられるかもしれない」「しかし、異性愛者に育てられる子どもだっていじめに遭う可能性はあり、その確率は変わらない」という内容のことが書かれていました。
子どもたちは、眼鏡をかけている、太っている、成績が良すぎる…あらゆることが原因でいじめられる可能性にさらされています。
じゃあ眼鏡を外すのか、痩せさせるのか、わざと成績を下げるのか…そうじゃなくて、大人は「人はそれぞれ多様である」ということを教えるべきだと思います。
それに、「親がマイノリティなら子どもがいじめられる可能性がある、だから子どもを育てるべきじゃない」なんて論がまかり通るなら、親が少数民族なら?親が障がい者なら?…とあらゆるマイノリティの子育てを否定することになります。
むしろ、育てられる側にもマイノリティがいて、育てる側にもマイノリティがいる、この事によってマイノリティへの偏見が少ない社会へ進んでいけるとも思います。

ただ、今の日本で親が同性カップルだと知られたら、いじめられる可能性は高いのが現実なのかもしれません。アメリカやイギリスのように「いじめられる可能性は異性カップル親の場合と同じくらい」とも言い切れない現実があるのかもしれません。
いじめっ子の親だって「人は多様である」と教えるどころか、子どもと一緒になって批判する人が多いかもしれません。まだまだ偏見が強いこの国ですから。
でも、だからといって「じゃあ子育てするな」では何にも変わりませんよね。

今、すでに子育てをしている同性カップルがいます。
彼ら、彼女らは、二人の関係を子どもに一切教えない場合、子どもに教えるけど地域の人達には隠す(子どもに口止めする)場合、全てオープンにする場合(←これは少ないかもしれません)…いろんな形で悩みながら子育てをしています。

また、子どもがいじめられるかもしれないという不安を抱いて、子育てをあきらめた同性カップルもいるかもしれません。悲しい現実ですが、その人の意思はもちろん尊重されるべきことだと思います。

いずれにせよ、「いじめられるよ」という懸念を示すことで「育てるな」という結論を招くのでは何も変わらないし、それこそいじめだと思うのです。
同性カップルの親が堂々と同性愛者であるということを名乗って子育てをする、という社会を作るためにあらゆる努力をしていきたい、これを読んでくれた方にも考えていただきたい、そう感じる今日この頃です。


4.子どもにとって(レズビアン親の場合)男性のモデルがいない、(ゲイ親の場合)女性のモデルがいない

「Lの世界」というレズビアン達を描いたアメリカのドラマがあります。
一人の女性が出産し、その同性パートナーがその子の養親になることを希望し、ソーシャルワーカーと面談する場面がありました。
ソーシャルワーカーが「男性との接触がないのは問題だ。どうやってこの子は『男』を知るの?」と同性カップルを否定的に言うシーンがあります。カップルは、苦笑いして「テレビにいるじゃない?社会にいるじゃない?」と答えます。
本当にその通り。おじさんがいる場合もおばさんがいる場合もある。社会に出れば、親以外の多様な人達、多様なモデルと出会います。
それに、こういう事を言って同性カップルの子育てを否定する人達は、シングルファーザーもシングルマザーも否定していることになりませんか。
むしろ、「モデルの不在」は、LGBTの子どもにとって深刻な問題です。
世の中には、異性愛者、異性愛があふれていて、「男らしさ・女らしさ」が強調される。どの大人を自分のモデルとしてとらえればいいのか、悩んでいるLGBTは少なくありません。この子たちに「ここにいるよ」とLGBTの大人たちが手を差し伸べること、こちらの方がよほど大切な事です。


5.性的虐待が起こりやすい

ゲイである=ペドフィリア(小児性愛者)である、ということは大きな誤解です。
(さらに、小児性愛者の全員が性犯罪を犯すわけではないということもつけ加えておきます)

調査によると、男性の小児性愛者の9割は異性愛者であり、性的指向と小児性愛には関連性はなく、異性愛者にも同性愛者にも同じように存在する、というだけです。

たまに、ゲイの男性が小学生の男の子をかわいがっていたら、「変な目で見ているのでは?」なんて言い出す人がいますが、とんでもない偏見ですね。異性愛者の男性が小学生の女の子をかわいがっていることと同じです。



最後に・・・

以上、主な「都市伝説」=誤解について書いてみました。
いろいろ書きましたが…
知らない者を人は恐れるのであり、こういう偏見を持っている人たちだって同性カップル親と友達になってみれば、「なーんだ、私たちと何も変わらない、悩みながら愛情を持って子育てしてる人達なんだ」とわかってくれるのかな、と思っています。
そのためにも、セクシュアリティを問わずいろんな人たちの交流の場を作っていきたいと思います。
そして偏見のない社会に変わることを強く願っています。

今回は、RFC代表藤めぐみさんのブログ記事をご紹介させて頂きました。
ガチレズ!ライターの私も同性カップル間での子育てについて悩む一人のレズビアンなのですが、この記事を読んで心がスッキリした気持ちになり、是非多くの方の目に触れて欲しいと思い、この度は掲載の許可を頂きました。(題名のみ、ガチレズらしく改変。)
子育てについて真剣に考え始めた同性カップルは、その事を話したストレートの友人や家族から、傷つくことを言われることも多々あると思います。それは、友人や家族が私達(LGBT)を心配しているにも関わらず、無知が故に起きてしまうことだと思うのですが、やはりとても悲しいことです。そんな時は、この記事を思い出して前を向いて欲しいです。
そして、下記ブログ記事も実に興味深いものばかりなので、同性カップルでの子育てについて考えてみるキッカケになるかもしれません。(by.MIKO)

レズビアンカップルに育てられても影響なし。という新しい研究報告。

「レズビアンカップルの育児は異性カップルの育児に劣らない」米研究で

LGBTによる養子に関する最新調査。

見た目よりも困難な選択--レズビアンカップルに精子を提供した男の妻の気持ち



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