dictionary

民主主義と人権保護の国と称されるスウェーデンでも、同性愛者に対する高齢者ケアに取り組んでいる地方自治体は、国全体の約49%ほどである。高齢者介護施設においては、カップル同士で入居しているケースは数少ない。彼らのセクシュアリティを尊重したケアや、受け入れ体制が確立していないという現状に、多くの同性愛者は老後の生活に不安を抱いている。

 そんな中、今年11月、スウェーデンで最初の同性愛者専用のシニア住宅がストックホルムに登場した。これは、「レインボー・シニア住宅」という名の住宅組合が設立したコンセプト住宅で、55歳以上のホモセクシャル、バイセクシャル、トランセクシャル、クィアの人が入居の対象となっている。


レインボー・シニア住宅の外観(Micasa, Olof Holdar)

入居希望者によって結成された組合は、国やストックホルムの同性愛者協会、家主である市営の不動産会社と協力しながら、シニア住宅の事業を運営している。入居者が、同じような価値観や関心を持つ人たちと一緒に住むことで、社会的な保障を得ることができることが、「レインボー・シニア住宅」を発足した最大の理由である。

当初は、同性愛者のための高齢者介護施設を開設する方向だったようだが、アンケート調査の結果、シニア住宅へのニーズの方が高いことがわかった。それぞれの部屋は、バスルームなどの段差を無くすなど、バリアフリーに対応した内装工事なども行われた。「レインボー・シニア住宅」は、1980年代に建設された8階建ての集合住宅の6階から8階部分にあり、現在27ある部屋は、すべて予約でいっぱいとなっている。

 住宅内には、入居者が集まってイベントや行事を楽しめる場所や、共同調理用のキッチンも作られた。近所には診療所、美容院、フットマッサージサロンもあり、近々には、建物の一階にレストランもできる予定だ。



組合の会長を務めるクリスター フェルマン氏( The Local )


組合の会長を務めるクリスター フェルマン氏は、約3年間に渡って、同性愛者のためのシニア住宅設立を手がけてきた。彼は長年、ストックホルム市営の高齢者介護施設でガードナー(庭師)として働いており、介護ケアについてよく理解している人でもある。彼自身も55歳となり、最近この住宅に引越している。入居者が、同性愛者として特別扱いされることもなく、老後も安心して暮らせるという点が、入居を希望する理由のようだ。

入居者の評判は上々で、多くの入居者はこの住宅ができたことを心から喜んでいる。会長のクリスター フェルマン氏は、将来、B&B(bed and breakfast)を住宅内に作りたいと考えている。訪れる人たちに彼らの住宅の実情を見てもらい、今後の運営や発展プロセスなどを参考にしてもらえればと思っているとのことだ。



コメント


ニュース・話題

  1. net-news
  2. news-paper
  3. video-news
  4. weather
  5. entertainment-news
  6. sports-news
  7. business-news
  8. pc-it-news
  9. town
  10. money
ページ上部へ戻る