文芸派のレズビアンにお勧めする小説7篇
- ガチレズ!
読書の秋は過ぎましたが、寒い冬だってお部屋での読書に適しています。
近年は「ゆるゆり」をはじめとする、百合漫画や百合アニメが注目されていますが、たまには小説の中にレズビアン的な要素を見出すのはどうでしょうか。
活字好きなレズビアンの皆様に7つの小説をご紹介します。
1.「雨の塔」宮木あや子/集英社
資産家の娘だけが通うことを許される、陸の孤島の女子大寮に捨てられた四人の少女たちの物語。 衣服と食べ物は好きなだけ手に入るが、情報と自由は与えられない。 高校で同性と心中未遂を起こした矢咲、母親に捨てられた小津、妾腹の子である三島、母親のいない都岡、孤独な魂は互いに惹かれあい、嫉妬と執着がそれぞれの運命を狂わせてゆく。 胸苦しいほどに切なくなる繊細な少女たちが描かれている、まさに大人の為の"少女小説"。
2.「リリィの籠」豊島ミホ/光文社
女子校を舞台にした7篇からなる短編集です。
その中には「ゆうちゃんはレズ」というズバリなタイトルの短編も収録されています。
それ以外のどのお話も、女の子同士の少し友情を越えた特別な結びつきや、姉妹間の拭えない劣等感など、さまざまな「女同士の関係」が描かれた興味深い小説となっています。
3.「マンゴスチンの恋人」遠野りりこ/小学館
こちらは共学校のクラスにいる、セクシャルマイノリティに関わる人たちについて書かれた連作短編集。
生物の時間に習った特殊な生殖方法を持つ植物とそれぞれのセクシャリティを重ねあわせ、まだ幼い高校生たちが多様であって当たり前のセクシャリティに実感をもって知っていきます。
多感な青春期に心は揺れ傷つきながらも、人を好きにならずにいられないセクシャルマイノリティの男女のそれぞれの恋を描いた、第12回小学館文庫小説賞受賞作。
4.「あのころの、」
熱い注目を集める気鋭女性作家6人による「女子高生」をテーマにした珠玉の青春アンソロジー。
レズビアン、というよりはいわゆる「百合」に近いお話が二編収録されています。
日々にどうしようもない閉塞感を感じ、もがきながらも刹那的な「女子高生」という今を生きる彼女たちの物語です。
夢、あこがれ、自信。悲しみ、怒り、とまどい。不安、嫉妬、そして別れ・・・女子高生時代ならではのセンシティブな心模様、取り巻く情景を鮮烈に描いています。
かつて「女子高生」だったすべての女性へ。
5.「先輩と私」森奈津子/徳間書店
エロを求めるあなたにはコレ!!
エロスと笑いの第一人者、森奈津子が贈る、読書界を震撼させたエロ面白い話題作です。
抜いて、笑って。
女子大学の「好色文学研究会」と「エロティック文学研究会」を舞台にした女だらけのぶっとび官能コメディ小説。
そのあまりのエロさと馬鹿馬鹿しさが大いに話題に。
日経新聞の書評にも掲載。
6.「奇貨」松浦理英子/新潮社
「ナチュラル・ウーマン」で知られる松浦理英子先生の5年ぶりの新刊です。
友達のいない、恋の楽しみを知らない中年男性・本田が同居している親友・七島はレズビアン。
男の自分には知りえない、七島のレズビアンとしての恋愛事情や友人関係の在り方を羨ましく思った本田のとった行動とは?
レズビアンの恋愛や友情をを当事者でない男性の視点から描いた物語。
7.「雲南の妻」村田喜代子/講談社
中国雲南の奥深い地で過ごした忘れ得ぬふたりの愛の生活と、女同士の奇妙な同性婚を描いた傑作長篇小説です。
中国茶の輸入を仕事とする夫と共に、女同士が婚姻関係を結ぶ風習のある中国の少数民族の地へ住むことになった主人公。
警戒心の強いその民族から信頼を得て仕事を成功させたい夫に、通訳として雇った民族女性が提案したのは、自分と主人公が女同士で結婚し、民族の「身内」となればいいというもの。
可愛い女の子たちがキャッキャと笑いさざめく「百合」でも、女性同士の熱すぎる愛情や嫉妬やセックスの描かれる「レズビアン」でもない、ただひたすらに穏やかでしみじみとした女性同士の愛情が描かれた、なんとも言えず読み心地の良い小説です。
外に出るのも億劫になる寒い日は、お家で読書なんてのも良い過ごし方ではないでしょうか。
読書が苦手なあなたも百合要素があれば、楽しく読めるかもしれませんよ?(by.なーたん)